事例1:なかなか進まない

社内のメンバーがトップダウンでDXについて取り組むように任命された場合に起きやすいケースです。

社内の通常の仕事に加えて、DXについても自身で調べてITベンダーなどにヒアリングしながら進めようとします。
しかし、DXを任される社員は会社のエース社員であることが多く、なかなか時間の確保が難しいことも多いです。

また、社内の明確な方針も示されていない状況なので、調査結果やアイデアなどをまとめて経営層に説明したところ、経営層と認識の違いにより話があやふやになり自然消滅といったケースもあるあるです。

DXプロジェクトが成功するためには、明確な戦略とビジョンが不可欠です。
戦略の欠如や不十分な戦略の策定がDXプロジェクトの失敗につながることがあります。
適切な戦略が欠けると、プロジェクトの方向性や目標が不明確になり、リソースの浪費や目標の達成が困難になります。
まずは経営層と明確な戦略とビジョンを描くところからが成功の近道です。

事例2:導入したITツールが使われない

ITツールやSaaSサービスをベンダーから提案を受けて、導入する場合に起きやすいケースです。

業務改善が目的なのにいつの間にかITツールを導入することが目的化してしまい、導入プロジェクトが終わった後に使われなくなる現象です。

DXは今あることをIT化やデジタル化することではありません。業務も併せて設計し直し、ITツールによって効率化が図れているか検証する必要があります。
導入前の検討や業務分析を行うことはもちろん、ITツールを導入した後にも現場への定着度合いを検証したり、必要に応じたカスタマイズも重要です。

また、実際に使う社員の抵抗や既存主義なども定着の遅れとなる可能性があります。
現場や組織に定着させるためにもプロジェクトの大枠が決まった段階から実際に使う社員の声も取り入れ、認識を併せることも大切です。

事例3:システム開発を依頼したけどイメージと違う

社内システムの開発を依頼し、イメージと違うため、追加開発や要件がどんどん追加となりシステム開発が終わらないといったケースです。

DXプロジェクトでは、密接なコミュニケーションが不可欠です。クライアントやITベンダーとの接点を増やすだけではなく、相手が求める情報・求めるものを探る必要があります。
要件定義や既存の理解だけではなく、さらに上流工程の業務分析・課題の特定・あるべき姿と目指すべきゴールの設定といった工程が重要となります。

すぐにでも開発して早く使いたいという思いから、上流工程を疎かにしがちですが、トータルコスト圧縮の観点からもとても重要な工程です。
急がば回れではないですが、一見遠回りに見える工程も全体で見ると近道です。